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【犬の病気】犬の椎間板ヘルニアの原因や予防を解説

更新日:

犬は人間などよりも椎間板ヘルニアにかかる割合が高い動物であると言われています。

では、そもそも椎間板ヘルニアとはどういった病気なのでしょうか?

また、治療法や予防法はどういったものがあるのでしょうか?

それを詳しく書いていこうと思います。

椎間板ヘルニアの原因は加齢や遺伝

 

まずは原因を書く前にヘルニアとはどういった病気なのかを書いていこうと思います。

ヘルニアと聞くと、ほとんどの方は「椎間板ヘルニア」の事だと思うと思います。しかし、そもそもヘルニアというのは、体内にある器官が本来あるべき場所からずれてしまってる状態の事を言います。

その種類は椎間板ヘルニアだけではなく、おへそが出てしまっている臍(さい)ヘルニアであったり、腸管が出てしまっている鼠経ヘルニアなどがあります。

では椎間板とは何かというと、背骨の間にあるゼリー状の組織の事で、骨と骨の間でクッションのような役割をしてる部分になります。

椎間板は外側が線維輪といわれる組織で、内側が髄核といわれる組織でできています。椎間板が何かの原因で逸脱してしまい、脊髄を圧迫してる状態の事を椎間板ヘルニアと呼びます。これが起こった場所によって多少異なってきますが、肢に麻痺が起こってしまったりしてしまい、場合によっては歩行すらも困難になってしまったりします。

さらに排せつのコントロールができなくなることもあります。

犬がヘルニアになりやすい部分

 

出典元:https://www.koinuno-heya.com/byouki/kinkokkaku/hernia.html

犬の椎間板はクッションの外側にある線維輪と、クッションの中に相当する髄核と呼ばれるゼリー状の組織からなっています。肥満や老化、外傷等によって椎間板が破れてしまうと、中にある髄核が外に飛び出してしまい、近くにある神経を圧迫してしまいます。

それが椎間板ヘルニアという病気です。

中にある髄核が完全に外に飛び出してしまっている状態をハンセンI型(髄核脱出型)といい、髄核が線維輪の中にとどまって外に出てはいないものの、椎間板が押されて後ろに膨らんでしまっている状態の事をハンセンII型(繊維輪突出型)と分けて呼ぶことがあります。

ハンセンI型の場合はそれまで元気に歩いていた犬が急に動かなくなり、ハンセンII型は気づかずに病気を抱えたまま生活を普通におこなっていることもあります。ハンセンⅠ型は症状と共に犬の行動も変化があるのでわかりやすいのですが、ハンセンII型は症状が緩やかで、徐々に進行するのでわかりにくいです。

椎間板の位置は首から腰までの全ての背骨に埋まっているので、基本的には背中のどの個所からでも発生してしまいます。しかし、犬の場合は背中から腰にかけての発生が全体の85%になります。さらにその中でも第11胸椎から第3胸椎にかけての発生が75%と非常に高いです。

犬が椎間板ヘルニアになる原因

犬が椎間板ヘルニアになる大きな原因は加齢によるものと遺伝が考えられます。

加齢によるもの

年をとると線維輪が変質してしまって亀裂が入ってしまいます。そしてその亀裂が入った所から髄核が入り込んでしまいます。

髄核が入り込むと、その分だけ線維輪が押し上げられる事になります。そして、線維輪が押し上げられることで今度は脊髄が押されることになります。

そうなると、椎間板ヘルニアになってしまうんです。

大体成犬である8歳~老犬になる10歳ほどがかかりやすいと言われています。

遺伝によるもの

軟骨異栄養症といわれるものの遺伝子を持ってる犬は、元々ゼリー状の髄核が他の犬に比べ固くなりやすくなります。固い髄核が線維輪を圧迫してしまうので、線維輪に亀裂が入ってしまい、髄核が線維輪から逸脱してしまいます。

そして脊髄を圧迫してしまうので、椎間板ヘルニアになってしまいます。

遺伝的な素因を持ってる犬種

特に多いのはダックスフンドやコーギーなどの胴長の犬種です。

これらの犬種は嘆息胴長の為、体型を作るのに軟骨異栄養症の遺伝子が必要だったとされています。

だからといって、生まれつきヘルニアなわけではなく、子犬の時は発症しません。そして若齢で発症することもありません。

大型犬より小型犬の方が椎間板ヘルニアになりやすい?

大型犬だからや小型犬だからというのはほとんど関係ありません。

小型犬は大型犬に比べて衝突に弱く、骨折しやすいなどの傾向はあります。しかし、だからといって椎間板ヘルニアのなりやすさに関してはそこまで関係はありません。

椎間板ヘルニア 予防法

 

遺伝素因の場合はある程度は仕方がないのですが、椎間板ヘルニアのリハビリには筋肉が必要になります。その為、子犬の時からバランスの良い食事を心がけて、適度に運動をしておくと良いと思います。

太ってしまっていると関節を痛めやすくなってしまう為、できるだけスリムな体型を維持するように心がけてあげると良いと思います。

それから、二本足で立たせるなどの無理な姿勢をとらせないようにすることも大事です。

抱っこする時仰向け又は、両腋の下に手を入れるようにして立たせるような縦抱きは背中に負担がかかりやすくなる為できるだけしないようにしてください。基本的には首の下とおしりの下の四肢の間に腕を通してあげて、床と背中が平行に近くなるような状態で抱っこしてあげるのが望ましいです。

移動の際に使うキャリーケース等がありますが、下に固い素材があり、中でお座りができるのであれば問題ありません。生活環境に関しては、床が滑りやすいと膝や関節とかに影響があるのでできるだけ床は滑りにくい状態にしてあげると良いと思います。

キャリーケースの選び方は以下を読んでみて下さい。

旅行、災害、病院に行く時などに活躍するキャリーバッグの選び方

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椎間板ヘルニアの可能性がある症状

腰椎部の椎間板がヘルニアになったら後肢に麻痺が出て、頚椎部の椎間板がヘルニアになったら前肢に麻痺が現れます。

肢を擦るように歩いていたりする等の歩行異常があったり、ソファに飛び乗らなくなったり、長時間の散歩を嫌がるようになった等の兆候が見られたら、椎間板ヘルニアの可能性が高いです。

それから麻痺してると肢を触っても痛がりませんが、背中などの患部を触ると痛がるので、もし痛がったら椎間板がずれてしまってるかもしれません。

椎間板ヘルニアが他の病気等を誘発する可能性

麻痺してしまっている肢に傷ができて外傷になってしまうことはあります。

さらに、排せつのコントロールができないので、常に尿で濡れたような状態になってしまい、そこから皮膚炎などになってしまう可能性もあります。

椎間板ヘルニアの手術に必要な検査

 

手術をする場合は、ヘルニアを起こしてしまってる病変部をしっかり特定する事が必要になります。その時に病状の確認や単純なレントゲンだけではなく、CT、MRI、脊髄造影レントゲン検査などの画像検査を行います。

脊髄造影に関しては手技的に難しく、リスクが高い検査になるので、ここ最近はCIやMRIが手術検査で選択されるケースが多くなっているようです。画像検査を人間が受ける場合は動かずにいれば手軽におこなえる検査ですが、犬は動かないといった事は難しいので、全身麻酔をした上で行うようになります。

そして、さらに椎間板ヘルニアの病変だけでなく、全身状態を確認する為の血液検査、心電図等のスクリーニング検査などが行われます。その上で手術が可能かどうかを判断してくれます。

手術の為に必要な入院期間

椎間板ヘルニアの手術はヘルニア自体の原因を治療する根治治療で、手術自体が効果的な犬ならば、手術後症状の改善が見られます。その為の入院に必要な期間は病院ごとに違い、犬の経過や性格によっても違ってきます。ただ、目安となる期間は4日~7日くらいとされます。長くても1週間程度と覚えておくと良いと思います。

この入院の間、術後の出血等に注意しながら経過を診ていき、状態が良くなっていれば早い段階でリハビリを開始する事ができます。

抜糸に関しては退位したタイミングで指定された日数で外来を受診、創部の確認をしながら行ってくれます。

椎間板ヘルニアの治療

では、椎間板ヘルニアになってしまった場合、治療はどうすればいいのでしょうか。

椎間板ヘルニアの治療には内科的、外科的な治療法の2パターンがありますので、それを説明していこうと思います。

内科的治療

内科的治療は椎間板自体を治すイメージというよりは、痛みをできるだけ緩和させ、軽減させてあげることで骨髄の機能回復を待つような治療になります。炎症剤や痛み止め、ビタミン剤を使っていき、普段は安静にすることが大事になります。

最近はメスを使わないでできる治療法を行ってる病院もありますので、相談してみると良いと思います。

外科的治療

手術によって椎間板の飛び出た箇所を根本的に解除させてあげるのが外科的な治療法になります。重症であればできる限り早めに治療する事をお勧めします。

ただし、手術をしたからといって必ず治るというわけではありません。神経の機能が回復しない場合もありますし、症状が改善しなかったり、足を引きずったままになることも少なくはないのです。

ヘルニアとの上手い付き合い方

犬が椎間板ヘルニアだと診断された時、基本的には何を注意してあげればいいのでしょうか。

まずは、飛び出てしまった椎間板が脊髄を圧迫しないように、腰への負担を少なくしてあげる事をメインに考えてあげてください。

・太らせないこと
人間でも同じですが、犬も肥満になると腰への負担が強くかかります。その為、できるだけ太らせないようにすることが大事です。

・安静にさせる
安静と言われてもどの程度かわからないかもしれません。安静の程度や期間はヘルニアの重症度によって違ってくるので、必ず獣医さんに確認しておきましょう。

共通して言える事は、階段の上り下りやジャンプ、2本足立ちなどをさせないことです。

・腰を冷やさないこと
冬場は特に気を付ける必要があります。

暖房の効いた暖かい部屋から外に出る時は腰を冷やさないように服や腹巻などで暖かくしてから外へ出るようにしてください。

太らせないようにする為に様々な方法があります。

以下の記事では栄養をしっかりと補充できるサプリメントの紹介をしていますので、合わせて読んでみて下さい。

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まとめ

椎間板ヘルニアは悪化させない為に、早期発見と早期の治療が大事になってきます。

そして、もう一つ早期の病状で気を付ける事は、椎間板ヘルニアに初期症状が似ている進行型脊髄軟化症です。椎間板ヘルニアと同じように脊髄の病気なのですが、脊髄がどんどんと溶けていってしまい、最終的には生命維持に必要な延髄にまでダメージが進行してしまう病気です。

この病気になってしまうと、かなり短い時間で死に至ってしまうとても恐ろしい病気です。

獣医さんは椎間板ヘルニアの初期症状の時にそれが椎間板ヘルニアなのか、進行型脊髄軟化症なのを見極めてくれます。早期発見と早期の治療が大事なのは理解できると思います。

早めに気が付けるように普段から愛犬の状態を細かく観察しておいてあげて下さい。

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