誤飲・誤食とは、犬が本来食べるべきではないボールペンのキャップなどの消化がそもそもできない、食べ物ではないものから、人間の食べるようなもので、犬が食べてはいけないものなどを誤って口にしてしまう事を言います。
消化できるものであれば、一時的に体調不良になるだけですぐに良くなることもありますが、人間にとっては問題ないものでも、犬にとってはあまり良くないもの、毒になってしまうようなものもあるので、気を付けてあげないといけなくなります。
犬が食べてはいけないものは以下のサイトで詳しく解説しているので、是非合わせて読んでみて下さい。
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記事の目次
【犬のごはん】犬が食べても良い食材、食べてはいけない食材一覧
犬にとっては中毒になってしまって、食べてはいけないものがいくつかあります。 犬が少しでも食べてしまうと、中毒症状が起こってしまって、危険な食べ物や普段身の回りにあって、うっかり食べてしまう可能性のある ...
ボールペンのキャップも良くはないですが、それ以上に薬に関しては注意をしてあげる必要があります。
というのは60kgの人間を想定して処方された薬を6kgの犬が誤って飲んでしまった場合、その容量は約10倍になってしまい、薬が効きすぎてしまいます。
さらに薬は良い方に作用するものと副作用が必ずありますので、副作用が強く出てしまうと大変です。
そんな、犬の誤飲誤食に関しての対処法などを紹介していきます。
犬が良く口にしてしまう異物誤食
対処法の前に誤食で多いものを解説します。
誤食をしてしまうものは、比較的小さいもの、壊せるようなものが誤食の対象になってしまいます。
以下が特に多いものになります。
誤食してしまうようなもの
・薬(人間用)
・観葉植物(育てている場合)
・タバコ
・木の葉
・おもちゃのかけら(犬用のものや子供がいる場合は子供のものも)
・プラスティック片など
・食後の肉の骨や魚の骨
この中でも特に危険なのは食べてはいけないネギや薬などです。
ネギには犬にとって毒になってしまうものが含まれていますし、薬は服用した体内で分散をします。
人間用の薬は、人間が飲む分には適量でも、その体重よりも数分の一しかない犬は、薬の作用が体内で高濃度になってしまうので、危険です。
誤食をしてしまう原因
犬が誤食をしてしまう原因はいくつか考えられます。
それらを紹介していきます。
お腹が空いている為
犬も人間と同じように食欲が一年で変化します。その為季節ごとに食べる量が変わるのでその時々の適量に合わせてあげる必要があります。
しかし、それが不足してしまうと、犬は空腹から近くにあるようなものを何でも口にしてしまう事があるのです。
特に秋頃は同じ量を上げ続けていると犬にとっては量が少ないので、お腹が空いて仕方がなくなります。それは犬にしてみたら三食あった食事が一食に減らされたような気持ちです。
その為、なにかしら口に入れて空腹を満たそうとするので、散歩中に拾い食いをしてしまったり、家にあるものを何でも口にしてしまうといった行動に走るのです。
一日の運動量が足りていない
お散歩自体にあまり興味がない犬や飼い主さん自体が面倒くさがってあまり長時間の散歩をさせていないと、犬は運動不足になってしまいます。
そうなると体力を持て余してしまい、おもちゃなどを破壊したりするような「破壊衝動」が起こります。
飼い主さんの過剰な反応で喜ぶ
犬が問題行動を起こした時、しっかりと叱ることができていないと、犬は構ってもらえたと思い込んでしまい、同じことを繰り返すようになります。
それがものの破壊や誤食などであった場合は、エスカレートしてしまう事になるのです。
誤食の対処法
適度な運動をさせてあげる
運動が足りない場合は、適度な運動をさせてあげる事が一番です。
散歩の時間を伸ばす、ドッグランなどで思い切り走らせてあげるなどをすると丁度良い運動になると思います。
ごはんは適量をあげるようにする
誤食はそのほとんどは空腹から来ますので、適量のごはんをあげるようにしましょう。
では、犬の適正量はどれくらいなのでしょうか。
それは以下を目安にしてみて判断してあげて下さい。
目安
・犬の姿と身体の脂肪のつき方
・弁が柔らかすぎないかどうか
これらを基準にして選んであげれば問題ありません。
食べるまでの時間は、15分~20分でぴったり食べきれる量であれば問題ありませんが、これが2分程度で食べきってしまうような量の場合は足りないと判断して量を増やしてあげるようにしましょう。
これをするだけでほとんどの誤食は防げます。もしかしたらこれだけで誤食をしなくなる可能性もあります。
もし犬が太ってしまっているなら、あげる量は様子を見ながら調整してあげると良いでしょう。
犬に最適なごはんは以下を読んでみて下さい。
年齢別にシリーズが出ているので悩まなくても済みます。
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【犬のごはん】どの年齢でもOKなドッグフードDaily style
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誤食が起きやすいもの
おもちゃやプラスティック片などを飲み込みやすいという話は上記でしましたが、それ以外にも誤植が起きやすいものがあります。
それが「保冷剤」です。
保冷材は食品の中に大体は入っていますが、冷凍しても柔らかいままのものもあります。
保冷材にはエチレングリコールというものが含まれていて、犬にとっては猛毒な物質が含まれています。
ただ、エチレングリコールは舐めるとにかく甘いんです。どこかから保冷材を持ってきて、遊んでいる犬がたまたま甘いと感じてしまうと、致死量になるまで食べてしまうといった事故が起こってしまう事があるのです。
その為、取り扱いは飼い主さんが注意してあげる必要があります。
風邪を引いた時に使う冷却枕も同じ物質
実は人が熱を出した時に使う冷却枕は、保冷剤と同じエチレングリコールが含まれているので、放置してはいけません。
使い終わったら必ず冷蔵庫などに戻して犬が触れないようにしてあげて下さい。
これらの中毒が怖いのは飼い主さんが保冷剤を食べてしまった、とわかっていないと診察のしようがない所です。
原因がわからないまま放置してしまうと、中毒症状が出てしまい、最悪の場合命を落としてしまう事にもなるので、気を付けてあげて下さい。
薬の誤飲も例が多い
人間の薬には糖衣錠とい糖でコーティングをしているものがあります。その為、なめるととても甘いのです。なので、犬は食べ物だと勘違いして食べてしまうのです。
薬とはいえ人間用のものなので、犬には代謝できないものが含まれている事がほとんどな為、薬を誤って誤飲してしまう事で起こる事故はとても多いのです。
見落としがちなもの
実は気にしていないだけで結構見落としがちなものがあります。
それが紐です。
紐は飲み込むとそのまま腸に送られます。そしてそのまま腸を結紮(けっさつ)してしまい、壊死させてしまうのです。身近な所でいうと靴紐などです。靴紐でも同じことが起こってしまいます。
さらには靴下やストッキングなども誤飲してしまうと同じ事が起こります。
結紮って?
結紮というのは、医療においての言葉で、外科の手術で身体の一部を医療器具などで縛って固定する技術の事を言います。
主に手術中の縫合や止血をする時に使われる用語で、色んな医療において必ず必要になる技術の事です。
犬の腸を結紮してしまうというのは、飲み込んだひも状のものが腸を縛ってしまい、流れを止めてしまう事を言います。
犬が誤飲・誤食をしてしまったらどうすれば良い?
異物の誤食は症状や程度、進行具合によってかなりバラバラなので、油断ができないトラブルの一つです。
誤食の怖い所は、飼い主さんが誤食の瞬間を見ていない事が多いという事です。その為、嘔吐が続いたり具合が悪そうにしていることで始めて病院に連れていく人が多い為、検査をして初めて何かを誤食した事がわかる場合が多いのです。
もし、犬が何かを誤食したり誤飲したかもしれないなどの可能性があったら、まずは獣医に電話をしたり病院に連れて行ったりして原因を調べてもらってください。
ものによっては無理に吐かせてしまうとむしろ悪化してしまう事があるので、無理には吐かせないようにしてください。
自分で判断はしないこと
物理的なボールやおもちゃなどは飲み込んでしまっても小さいものならそのまま腸を通ってうんちと一緒に外に出る事があるので、そのまま解決する事があります。
しかし、腸や胃に引っかかってしまったら問題です。
こうなってしまうと内視鏡をするか開腹手術をするしかなくなってしまいます。症状自体が悪化していると精密検査で見つける事ができる場合もありますが、そうでないと発見ができない事もあるので、薬を飲ませて炎症を抑える治療をしていて、結局は異物が見つかるといった事もあります。
いずれにしても自己判断をせずに必ず獣医に相談する事をお勧めします。
異物の誤飲・誤食を防ぐには?
防ぐための対策はとても簡単で、誤食しそうなものを犬の近くにはおいておかない事です。
誤食をしてしまう犬は、実は繰り返し行ってしまう事が多く、1回だけでやめる犬はほとんどいません。
この場合は飼い主さんが気を付けているだけだと必ずミスをしてしまう事になるのです。
その為、そもそも外に細かいもの、犬の口に入りそうなものを出しておかない事が大事で、それらは全て引き出しにしまうなどする必要があるのです。
ゴミ箱は犬の届かない箇所に設置するか、犬が体当たりしても蓋が開かないような頑丈なものを選択して置いておくようにしましょう。
誤食を防止するなら飼い主さんが先回りして1つずつなくしていかないといけない
以下の事は徹底して下さい。
誤食の対策
・常に使うようなものは引き出しに入れないとしても犬の手の届かない所に必ず入れるようにする
・ゴミ箱は犬が届かない箇所に置くか、倒れても蓋が開かないようなものを使う
まとめ
誤飲をしてしまってもすぐに排出されず、時間が経ってから症状が出始めるといった事があります。
これらがないように未然に防ぐことが大事ではありますが、1分1秒目を放さずに犬を見ている事は不可能です。
ですが、少しでも可能性があるならそれを一つずつなくしていく事が飼い主さんのできる対策です。